ハルキは昔から病弱で、いつも咳をする子だった。
肌は白く、貧血のせいで彼は健康診断にはいつも引っかかっていた。
細身の体躯に長髪が良く似合っていた。
僕らは彼の脆弱ながらも美しい容姿を見て、陰でこう渾名した。
沖田総司 と。
ハルキ17歳。
そんな彼は、大きな病気を患う事も無く18歳を迎えた。
彼は学業の傍ら、アルバイトでお小遣いを稼ぐようになっていた。
彼が働いていた職場。それは
焼肉屋。
焼肉屋での賄いは当然焼肉が中心になる。
食べ盛りの彼は、2年間ほぼ毎日焼肉を食べ続けた。
中学の頃に夢中になっていたサッカーは、もうやらなくなっていた・・・
21歳になった彼は、昔の病弱さを微塵も感じさせない見事な体に成長していた。
僕らは彼の恰幅のよさと、生来の目の細さを見てこう渾名した。
朝青龍 と。
ハルキ21歳。
あの頃のジーンズは、もう履けなくなっていた・・・
30kgほどの増量を果たした彼は、
今では愛すべきデブキャラとして、その地位を確かな物にしている。