波乗り紳さん

これは、夢を諦めてしまった全ての大人達に送る、感動の物語である。






「はあ・・・またリストラだよ・・・」




4月。

春になったとはいえ、海岸を吹き抜ける風はまだ冷たい。

勤めていた会社を解雇され、再就職も決まらない僕はひとり落ち込んでいた。


「もう、死のうかな・・・」


そんな馬鹿な考えが頭をよぎる。


大好きな海の風に吹かれれば、少しは気が紛れると思って海まで来た。

しかし、人気の無い春の海が僕の心を一層と悲しくさせた。


「はぁ・・・生きていても、良い事なんて何もないや・・・」


そう、ひとり呟いた時だった。














「紳さん、顔を上げて!元気を出して!」










「き、君は!!」




そう。それは3年前に別れた彼女であった。

誰よりも僕の事を理解してくれていた彼女。

その彼女が今、僕の目の前にいる。






「コレ、忘れ物。」


「あの頃の紳さんは輝いてたわ!もう一度・・・夢を追いかけてよ!!」

















「こ、これは・・・僕があの頃夢中になっていたサーフィン・・・!」


いつの間にか、やらなくなってしまったけれど・・・

そうだ・・・!

そうだったんだ!!!

今の僕に足りないモノ・・・それは、夢を追いかける情熱!!!















「ありがとう・・・君のおかげで目が覚めたよ。」

「もう一度・・・あの波に乗ってくる!!!」








「アイリーーーーーン!!!!!」












※動画です。








〜解説〜





「アイリーーーーーーン!!!!!!」




僕は、あの頃の気持ちを思い出していた。

もう、怖いものなんて何も無い。

簡単な事。


ただ、夢中になって走ればいいんだ!!










「ああっっ!!」







バッシャーーーン!!










〜紳さん心の詩〜

転んだっていいじゃないか。


落ち込む日もあるけれど、

悲しくなる日もあるけれど、

それでも前を向いて走って行こう。


転んだっていいじゃないか。

それが人生なのだから・・・。

 



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